アートクラスⅣ|通信制高校 美術Ⅰ
4回のスクーリングで出会う、見る・感じる・つくる美術
通信制高校の「美術Ⅰ」では、4回のスクーリングを通して、実際に画材や素材に触れながら美術を学びます。
スクーリングに参加する生徒たちは、絵を描くことが好きな人もいれば、
「美術はちょっと苦手」
「絵を描くのは久しぶり」
という人もいます。
だからこそ、この授業では、最初から上手に描くことを求めません。
見ること。
感じること。
色や形を選ぶこと。
そして、自分なりに表現すること。
4回という限られた時間の中で、さまざまな美術の楽しさに触れていきます。
4回のスクーリング
第1回|ペンで描く ― ハッチングでイチゴキャンディー
最初の授業では、ペンによる表現に挑戦します。
線を重ねることで明暗や立体感を表現する**「ハッチング」**の技法を学び、イチゴキャンディーを描きます。
身近なモチーフをじっくり観察しながら、線だけでもさまざまな表現ができることを体験します。
見る・観察する・描くことから始まる美術の時間です。
第2回|アートは何を変えてきたの? ― アート史と作品の部分模写
人は、なぜ絵を描き、ものをつくってきたのでしょう。
前半では、洞窟壁画や《ヴィレンドルフのヴィーナス》から現代美術まで、代表的な作品を見ながら、アート史の大きな流れを学びます。
作品名や作者名を覚えるだけではなく、
「その時代の人は、何を大切にしていたのだろう?」
「この作品は、それまでの考え方をどう変えたのだろう?」
という視点から作品を見ていきます。
後半は、スライドに登場した作品から気になったものを一つ選び、印象に残った部分を模写します。
手を動かしながら、作品に使われている線、形、色などを詳しく観察し、模写する前には気づかなかったことを探します。
最後に、作品に込められた考え方や、その作品が生み出した新しい見方を、自分の言葉でまとめます。
美術史を「覚える」のではなく、作品を見て、描いて、考える授業です。
第3回|平面から立体へ ― デザインキューブ
第3回は、色と形を楽しむデザインの授業です。
立方体の展開図が印刷された画用紙に斜めの線を引き、できた面を色鉛筆で塗り分けていきます。
平面の状態で色彩構成を楽しんだあと、切り抜いて組み立てると、一枚の紙が立体的なデザインへと変化します。
平面と立体、色と形の関係を、実際につくりながら体験します。
第4回|「私のマーク」をデザインしよう
最後のスクーリングでは、これまで経験してきた線・色・形・表現を使って、自分自身を表すマークを考えます。
自分の好きなもの、大切にしていること、自分らしいと思う色や形。
それらをヒントに、アイデアスケッチから少しずつ形を整理し、**世界に一つだけの「私のマーク」**をデザインします。
同じ課題に取り組んでも、できあがるマークは一人ひとり違います。
その違いもまた、美術のおもしろさです。
4回の美術の時間を通して
第1回では、よく見て描く。
第2回では、作品を見て、人が表現してきたことを知り、自分の思いを形にする。
第3回では、色と形を組み合わせてデザインする。
そして第4回では、自分自身を色と形で表してみる。
描く → 知る・考える → デザインする → 自分を表す
4回のスクーリングは、それぞれ違う課題でありながら、少しずつつながっています。
美術には、たった一つの正解はありません。
同じものを見ても、感じることは違う。
好きな色も、心惹かれる形も違う。
表現の仕方も、一人ひとり違います。
作品の上手・下手だけではなく、
「私は、この色が好き」
「こんな形がおもしろい」
「こんなふうに表してみたい」
そんな自分自身の感覚に気づくことも、美術を学ぶ大切な意味の一つです。
4回という短い時間だからこそ、いろいろな美術の入り口に触れながら、
「表現するって、おもしろい。」
そんな小さな発見を持ち帰ってもらえたらと思っています。