暑さなどで美術室が使いにくいときや、図書室を活用して授業を行いたいときに取り組める、**「図書館POPづくり」**の授業です。
図書室にある本の中から、生徒自身が「気になる」「誰かに紹介したい」と思う一冊を選び、その本の魅力を伝えるPOPを制作します。
本をじっくり読むことが目的ではありません。
表紙や目次、写真、紹介文、気になったページなどを手がかりにして、**「この本のどこを人に伝えたいか」**を考えます。
言葉、文字、色、イラスト、余白、構成などを工夫しながら、限られた紙面の中で情報を伝えるデザインの学習にもつながる課題です。
授業概要
対象:高校1年生
時間:45分×2時間
用紙:A5画用紙
場所:図書室
テーマ:「この本、ちょっと見て!」
目標:本の魅力を見つけ、それが伝わるように表現する
課題「図書館POPをつくろう」
図書室にある本の中から、「気になる」「誰かに紹介したい」と思う本を一冊選び、その本を手に取ってもらうための紹介POPを作ります。
本の魅力が伝わるように、言葉・文字・色・イラスト・構成を工夫しましょう。
本の選び方
選ぶ本のジャンルは自由です。
小説だけでなく、
- 絵本
- 図鑑
- 写真集
- スポーツ
- 料理
- 旅行
- 科学
- 歴史
- 趣味の本
など、どの分野の本を選んでもかまいません。
また、本を最初から最後まで読む必要もありません。
表紙や目次、紹介文、写真、気になるページなどを見ながら、
「なんだか気になる」
という自分の感覚を大切にして、一冊を選びます。
POPに必ず入れるもの
POPには、次の内容を入れます。
- 本のタイトル
- 作者名
- 心に残った言葉、または気になった内容
- おすすめしたい理由
- 本のイメージに合った絵・模様・色
ただ情報を書き並べるのではなく、
「何を一番伝えたいのか」
を考えることがポイントです。
1時間目|本を選び、下書きをする
① 気になる本を探す
まずは図書室を歩きながら、自分が気になる本を探します。
普段は行かない本棚をのぞいてみるのもおすすめです。
② 紹介する一冊を決める
表紙やタイトルだけで決めてもかまいません。
ページをめくりながら、
「この写真が面白い」
「この言葉が気になる」
「友達にも見せたい」
と思った一冊を選びます。
③ 本の魅力をメモする
紹介したいポイントや、POPに入れたい言葉を考えます。
④ レイアウトを考える
コピー用紙に、文字や絵をどこに配置するか簡単に下書きします。
⑤ A5画用紙に下書きする
レイアウトが決まったら、A5画用紙に本番の下書きを始めます。
2時間目|POPを完成させる
2時間目は、下書きをもとにPOPを仕上げます。
- 文字やイラストを描く
- 本の雰囲気に合った色をつける
- 文字の大きさや配置を調整する
- 全体のバランスを整える
- 完成したPOPと本を一緒に並べる
最後に作品を並べて鑑賞すると、実際の図書館のPOPのような雰囲気になります。

制作のポイント
一番伝えたい言葉を大きくする
全部の文字を同じ大きさにするのではなく、まず目に入ってほしい言葉を大きくします。
文字そのものもデザインする
文字の大きさ、太さ、形、配置などを工夫すると、同じ言葉でも印象が変わります。
本の雰囲気に合った色を選ぶ
明るい本なのか、静かな本なのか、怖い本なのか。
本から感じた印象を色で表してみます。
余白を大切にする
伝えたいことを全部書こうとすると、かえって読みにくくなります。
文字を詰め込みすぎず、余白もデザインの一部として考えます。
表紙をそのまま写さない
本の表紙を上手に模写することが目的ではありません。
「自分はこの本の何に惹かれたのか」
を、自分なりの言葉や色、形で表現します。
評価のポイント
評価では、次の4点を見ます。
- 本の特徴や魅力を見つけている
- 伝えたいことが分かる構成になっている
- 文字・色・絵・模様を工夫している
- 最後まで丁寧に仕上げている
絵の上手・下手だけで評価するのではなく、**「本の魅力をどう伝えようとしたか」**を大切にします。
この授業で大切にしたいこと
この課題では、「正しく本を紹介する」ことだけを目標にはしていません。
たくさんの本の中から、
「私は、これが気になった」
という一冊を自分で選ぶところから表現が始まります。
同じ本を見ても、気になるところは人によって違います。
言葉に惹かれる人もいれば、写真や色、物語の世界観に惹かれる人もいるでしょう。
その小さな「気になる」を見つけ、それを誰かに伝わる形にする。
それも美術の大切な学びのひとつだと思います。
完成したPOPが、誰かと新しい本との出会いをつくってくれたら素敵です。
誰かが新しい本と出会うきっかけになるような、あなたらしいPOPを作ってください。
