はじめまして
かつまた のぶ子 です。
色彩・美術・人の心。
そんなことをテーマに、長くアートと人に関わる仕事を続けてきました。
武蔵野美術大学卒業、カナダへ留学。そこで色彩学や子どもの絵の研究と出会いました。
ビクトリア大学で学んだ色彩学は、現在まで続く私の「色彩」と「アート」への探究の原点となっています。
帰国後は塗料メーカーに勤務し、カラープランナーとして建造物・工業製品・景観などの色彩計画に携わりました。
色が人の心や暮らし、街の景観にどのような影響を与えるのかを、実際の仕事を通して学んだ時代です。
工業製品などの仕事では、グッドデザイン特別賞、建設省技術開発最優秀賞などを受賞しました。
また、カラープランナーとしての経験を生かし、「色彩学」や「街づくりと色彩」をテーマとした講演活動も行ってきました。
子どもの絵から、心の世界へ
我が子の成長をきっかけに、学生時代から心に残っていた「子どもの絵に現れる色彩」に、あらためて興味を持つようになりました。
我が子が絵を描き始めたとき、
「あっ、この絵、知ってる。色彩学の教科書で見た!」
と驚いたことを、今でもよく覚えています。
そこから、子どもの絵に表れる心の世界に強く惹かれ、造形表現と心との関わりについて学ぶようになりました。
その中で、末永蒼生先生の「子どものアトリエ」で、子どもの自由な表現や色彩心理について学びました。
そして、造形や心理学を学ぶ仲間とともに、3歳から小学生までを対象とした子どものアトリエ**「アートキッズ」**を約10年間主宰しました。
子どもの表現が教えてくれたこと
そこで私が何度も目にしたのは、子どもの絵や造形には、まだ言葉にできない「心の声」が表れることがあるということでした。
子どもの描いた絵をきっかけに、お母さんが、
「この子は、こんなふうに感じていたんですね」
と、ハッとする。
それまで気づかなかった子どもの思いに気づき、お母さんの接し方が少し変わる。
すると、子どもの表情や行動も変わり、親子の関係が少しずつよい方向へ動き始める。
そんな場面を、何度も見てきました。
発達に特性のあるお子さんを連れてこられたお母さんの中には、周囲の子どもと比べ、
「自分の育て方が悪かったのではないか」
と、自分を責めていた方もいらっしゃいました。
けれど、アトリエには、「みんなと同じようにできること」を求める物差しはありません。
その子が好きな色を選び、夢中になって手を動かし、自分の持っている力を存分に使って、生き生きと表現している。
そんな我が子の姿を見て、お母さんの表情がふっとやわらぐことがありました。
そして、ときには子どもの表現そのものに感動し、
「どうしようもない子なんかじゃない。この子は、普通の物差しでは測れないだけなんだ」
と気づくこともありました。
それぞれの子どもが持っている力や個性が、思いきり花開く場所。
それが、私にとってのアトリエでした。
アートの世界では、一人ひとりの違いが、そのままその人の魅力になります。
同じものを見ても、感じることは違う。
選ぶ色も、描く線も、つくる形も違う。
比べる必要のないアートの世界だからこそ、子どもたちは安心して自分を表現できる。
そして、それぞれが持っている力を、伸び伸びと開いていくことができるのだと思います。
子どもたちから教えてもらったこと
子どもたちと過ごした約10年間は、私にとって、アートを教えた時間である以上に、アートが人の心や親子の関係にどのように働きかけるのかを、子どもたちから教えてもらった時間でした。
このアトリエでの経験は、その後の美術教育にも、そして今取り組んでいる活動にもつながる、大切な原点となっています。
東日本大震災を経て、美術教育の現場へ
2011年の東日本大震災で自宅を失い、長く続けてきた子どものアトリエも閉じることになりました。
暮らしも仕事も大きく変わるなかで、
「これまでの経験を、何か別の形で生かすことはできないだろうか」
と考えるようになりました。
そして震災後、公立・私立の中学校・高等学校で、美術講師として美術教育に携わるようになりました。
約15年間、多くの生徒たちと作品づくりを続けるなかで、私が大切にしてきたのは、作品の上手・下手だけではありません。
一人ひとりが、自分の感じ方や表現を大切にできる美術の時間をつくること。
そして、やがて大人になって社会へ出ていく彼らに、
「自分らしいって、ステキなことなんだよ」
と伝えることでした。
そのために、絵画、デザイン、造形、色彩など幅広いアートの世界を通して、自分自身について考えたり、自分なりの表現を見つけたりする授業やアートプログラムを企画・実践してきました。
広大なアートの世界では、みんなが同じである必要はありません。
同じものを見ても、感じることは違う。
選ぶ色も、描く線も、つくる形も違う。
違うからこそ、おもしろい。
違うからこそ、その人らしい。
そんなアートの世界から、
「あなたらしさを、大切にしてね」
というメッセージを送り続けてきたように思います。
卒業してからも、ときどき学校へ顔を見せに来てくれる生徒たちがいます。
そんな彼らに会うたびに、
「本当にステキな時間を一緒に過ごさせてもらったな」
と、しみじみ思います。
そして、心の中では今もこう思っています。
いつでも、ここに戻っておいで。
迷ったときも、自信をなくしたときも、いつだってもう一度、大きな声で伝えるよ。
あなたが、あなたらしくいてくれることがステキなんだよ。
これから、アートを通して伝えていきたいこと
子どものアトリエや学校での美術教育を通して、たくさんの子どもたちや生徒たちと出会ってきました。
その中で何度も感じてきたことがあります。
それは、アートには、人が「自分らしさ」に気づき、それを大切にする力があるということです。
アートの世界には、たった一つの正解はありません。
同じものを見ても、感じることは違う。
心惹かれる色も、形も、表現の仕方も違う。
だからこそアートは、誰かと比べるのではなく、
「私は何を感じているんだろう」
「私は何が好きなんだろう」
と、自分自身に目を向けるきっかけを与えてくれます。
そして私自身も、これからの人生をどう生きていきたいのかを考える年代になりました。
長い人生のなかでは、母として、妻として、仕事をする人として、誰かのために頑張る時間がたくさんあります。
けれど人生の後半には、もう一度、
「私は、どんな人なんだろう」
「私は、何が好きなんだろう」
「これから、どんなふうに生きていきたいんだろう」
と、自分自身に問いかける時間があってもいいのではないでしょうか。
これからは、これまで積み重ねてきた教育・色彩・アート、そして人の心についての学びと実践を生かし、大人が自分自身と出会うための「心をほどくアート時間」を育てていきたいと考えています。
絵の上手・下手を競うのではなく、色や線、素材に触れながら、自分の感覚に耳を澄ませる。
自分を感じる。
自分を知る。
自分らしさに気づく。
そして、自分に戻っていく。
そんな、自分自身と静かに過ごすためのアートの時間をつくっていきたいと思っています。
アートは、自分に戻るための静かな時間
日々の暮らしの中で、私たちの意識はいつの間にか外へ外へと向かっていきます。
仕事のこと、家族のこと、人との関係。
誰かの期待に応えたり、周囲に合わせたりするうちに、自分が何を感じているのかさえ、わからなくなることがあります。
そんなとき、
色を選ぶ。
線を引く。
素材に触れる。
ただ静かに、手を動かしてみる。
すると、外へ向いていた意識が、少しずつ自分の内側へ戻ってきます。
何かを上手につくるためではなく、答えを見つけるためでもなく、
ただ、今の自分を感じるために。
アートをする時間そのものが、心をほどき、自分と静かに向き合う時間になる。
私はこれから、そんな「自分に戻るための静かなアート時間」を、子どもから大人まで、それぞれのかたちで届けていきたいと思っています。
大切にしていること
描くこと、つくることは、心と話すこと。
絵を描いたり、ものをつくったりしていると、不思議と心が落ち着いてくることがあります。
うまく言葉にできない気持ちも、色を選び、線を描き、手を動かしているうちに、少しずつ形になって現れてきます。
手は、言葉にならない思いまで語ってくれる。
だからアートは、上手に描くためだけのものではなく、自分が今、何を感じているのかに気づくためのものでもあります。
アートの時間は、自分の心にそっと寄り添う時間です。
そして、「つくること」は絵を描くことだけではありません。
料理をつくること。
花を飾ること。
言葉を書くこと。
暮らしの中で、自分の好きなものを選ぶこと。
私たちは日々、小さな創造を重ねながら生きています。
何かをつくるために手を動かしていると、外へ向いていた意識が、少しずつ自分の内側へ戻ってくることがあります。
「私はこれが好きだったんだ」
「こんな色に心惹かれるんだ」
「私は、こんなことを大切にしていたんだ」
そんな小さな気づきの中に、その人らしさは表れているのだと思います。
作品をつくることも、教えることも、人の心に寄り添うことも。
すべては、その人が自分らしく、よりよく生きるために。
これが、長い間アートと人に関わってきた私が、今、大切にしていることです。
このサイトでは、「自分らしさ」を大切にする美術教育、「心をほどくアート時間」、色・モチーフ・素材についての探究や制作、そしてこれまでの経験を未来へつなぐための執筆活動について発信していきます。
教育・色彩・アートで、人と社会をやさしくつなぐ。
これからもアートとともに歩みながら、
人がその人らしく生きるために、アートに何ができるのか。
その問いを大切に、学び、考え、つくりながら、探究を続けていきます。
色彩計画の実績集
- 宮城県屋外広告物審議委員
- スノーポール色彩計画(建設省技術開発最優秀賞)
- アイジー工業景観ルーフ色彩計画(通産省グットデザイン景観賞)
| 発電所 | ・上の岱地熱発電所(秋田県) ・澄川地熱発電所(秋田県) ・葛根田地熱発電所(岩手県) ・柳津西山地熱発電所(福島県) ・仙台火力発電所事務所棟(宮城県) ・能代火力発電所単身寮(秋田県) 他 |
|---|---|
| 一般建築 | ・仙台市天文台(宮城県) ・仙台市原町小学校(宮城県) ・青年の体育館(宮城県) ・山本製作所(山形県) ・仙台港連絡橋(宮城県) ・豊田通商倉庫(宮城県) ・谷村学院(岩手県) ・コーポ青葉(宮城県) ・阿武隈会館(福島県) ・阿部蒲鉾泉工場(宮城県) ・乙部保育園(岩手県) ・YP電子工業(秋田県) ・斉藤農機製作所(山形県) ・プラザ仙台(宮城県) ・古川駅前郵便局(宮城県) ・天野山高架タンク(宮城県) ・総合保原病院(福島県) ・共済組合飯坂保養所(福島県) 他 |
| JR関連施設 | ・八戸駅駅舎(青森県) ・福島駅ホーム ・駅舎(福島県) ・郡山工場資料館(福島県) ・東北新幹線一ノ関駅 ・花巻 ・北上駅 ・盛岡駅駅舎(岩手県) ・花輪線 ・八戸線 ・大船渡線駅舎(岩手県) ・山形新幹線米沢駅 ・高畠駅駅舎(山形県) 他 |
| 橋梁 | ・鳴瀬川橋(宮城県) ・新屋豊岩線橋(秋田県) ・郡山・西田が歩道橋(宮城県) ・小伏沢橋(秋田県) ・開成橋(宮城県) 他 |
| その他 | ・スノーポール色彩計画(建設省技術開発最優秀賞) ・アイジー工業景観ルーフ色彩計画(通産省グットデザイン景観賞) ・仙台東有料道路料金所及び付帯施設色彩計画(宮城県) ・ミヤセキサービスステーション(宮城県) ・建売住宅色彩計画 他 |
| 講習会 | テーマ:色彩計画、色彩、まちづくり ・エニック21 ・東根建築研究会 ・仙台ロータリークラブ ・早池峰ダム建設事務所 ・一関ロータリークラブ ・山形壁面活性化組合 ・石巻市21石会 ・酒田建築士会 ・山形塗装組合 ・美修会 ・建設省三陸国道事務所 ・株式会社タマル社 ・NT交友会 ・加藤会 ・21世紀会 ・石巻倫理法人会 ・第一コピーサービス株式会社 ・協立塗料株式会社 他 |