日々思う事

美術教育は必要ない?

日本では美術の時間がどんどん減らされています。美術室にはエアコンもついていません。夏には室温35度、湿度80%になるというのに。

美術室の暑さは危険!な状態で、授業をすることもできません。エアコンのある一般教室に避難するも実技はすることができず、教科書を読む、プリント学習が主です。残念なことばかりです。

美術教育は本当に必要のないものでしょうか?諸外国では芸術の時間をドンドン増やしています。アメリカのビジネススクールではアートが必修科目となっています。

日本はもともと素晴らしい文化、芸術を持っていた国です。そこに住む人々の芸術性、美的感覚を育てることを軽視するとは、一体どこへ向かおうとしているのでしょうか?

私にとって美術教育とは視覚を耕す教科であると思っています。

私たちの目の前にある環境から情報を受け取る五感。その中でも視覚は特に多くの情報を得る感覚です。

「おいしい」と感じるのは、視覚が85%、味覚は5%前後と言われています。この世界において、私たちが視覚から得る情報がどれだけ多いのかと言うことを考えれば、視覚という感覚を育てることの意味の大切さが分かると思います。

それなのに視覚という感覚器官を育てることはあまりしていないのが現状ではないでしょうか?せいぜい視力を測る程度。

その点、美術教育は視覚、みると言うことを鍛える教科であります。造形の三要素である形・色彩・素材と、実技をとおしながら、視覚を豊かにする教科でもあります。

そして受容器官を耕し、世界を受け止め、誰かに届ける造形物を作り上げることができる様になる教科が美術でもあります。

受容器官(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚、第六感)の中でも視覚を鍛える、そして誰かに伝える造形物を創造できるようになることを学ぶのが美術の時間です。

  • デザインは誰か(第三者)に造形物で伝える分野
  • ファインアートは自分に造形物で伝える分野

まずは造形の三要素を学ぶことからはじめ、自分の思いを伝えることを視覚的にしていくことを学ぶ時間です。

美術は本当に必要ないでしょうか?